mineralyをときほぐしてみる
「ミネラリー」
「ミネラリー」なワインの味を説明するときによく使っていたことばだ。
当時英語で接客を余儀なくされていた私は、
「ミネラリー」をそれとなく使いこなしていて、
「これがミネラリーだ」という味を認識しながら使用していた。
最近、まだワインを飲む機会を人生の中で与えられてこなかった人とワインを嗜んだ際、
「ミネラリー」ってなんですか?と質問をされ、
「ミネラリーはミネラリーだよ」というつまらない回答をした訳ではないが、
心の中でつぶやいてた。
そして、どうしても「ミネラリー」を言語化してみたくなった。
It’s mineraly. と英語で説明しくさっていたが、
先ほど調べてみるとmineralyという言葉はポーランド語やチェコ語が出てくるだけで、
なんと英語には無いようである。
しかし、周りのイギリス人たちも確かに「mineraly」と説明しくさっていた。
・・・mineralyが英語かポーランド語かチェコ語かはここではどうでもよく、
確かに使用していたワインの味を表現するための「ミネラリー」の言語化に集中したいと思う。
ミネラリーとは、一言でいうと、つまり、、
「ミネラルっぽい味がする」ということだ。
では、「ミネラルの味」とはどんな味か。
そこが難しかった。
ミネラルと聞くと、なんとなく海とか石とかを連想する。
クリアですっきりしていて、なんか栄養がありそうな感じ。
あ、これでいいのでは。いや、
「栄養がありそうな感じ」はなんか違う。
「ミネラリーなワイン」はなんだか喉越しもよかった。
喉越しと書いてビールを飲みたくなっている時点で「喉越しがいい」も違う気がしている。
みねらりー。
クリアですっきりしている。
だけでは物足りない。
ちょっと硬質な感じもあるよな。
と、ここで「ミネラルっぽい味」を検索してみた。
エノテカのサイトに「ミネラル感」とは2000年代から使用され始めたテイスティング用語で、
ミネラル感という言葉に定義はなく、専門家の間でも共通の認識がないと書かれている。
なんということだ。
でも私は私の「ミネラル感」を見つけたい。
なので、エノテカの記事を読み進めないでおく。
「ミネラル感」を自分なりにさらにときほぐしてみることにする。
・・・
石を舐めたときのような感じを思い出した。
石を舐めたことがある人ならわかると思う。
絶対に自分の唾液では解けない固形物なのに、何かを感じる、あれだ。
たまたま今机上にいつぞや海岸で拾った石があるので、舐めてみた。
ひんやりしていて、舌の上でころがすと、石の味っぽいのがする。
「ミネラリー」なワインを飲んだときも、
液体が舌の上をころがる感じがある(ような気がする)。
しかしそのころがるものは、角がとれた石でないとだめだ。
ちょっとの存在感を醸しながら、喉に流れていく感じだ。
ミネラリーとは、
「クリアですっきりしていて、飲むと角のとれた石がころがっていくようなワインだよ」
とりあえず、今日のところはこれでよいかもしれない。